
「腹が……減った……」
2025年1月、あの男がついに海を越えた。『劇映画 孤独のグルメ』。
今回の五郎さんの目的は、かつての恋人の娘からの依頼で「究極のスープ」を探すこと。
舞台はフランス・パリ、日本の長崎・五島列島、そして韓国・釜山(巨済)。
一見すると脈絡のないこの3都市ですが、マイラーの視点で見ると「ある一本の線」で繋がります。
今回は、映画の興奮をそのまま旅の衝動に変える、「マイルで巡る、究極のスープ・ロード」を提案します。
聖地① パリ:ル・ブクラの「オニオングラタンスープ」
最初の舞台は、花の都パリ・モンマルトル。
五郎さんが立ち寄ったのは、実在するビストロ「Le
Bouclard(ル・ブクラ)」です。
ここで食したのは、熱々のチーズがとろける「オニオングラタンスープ」と、濃厚な「ブッフ・ブルギニョン(牛肉の赤ワイン煮込み)」。
マイルでの攻略法:サーチャージの壁を越えろ
パリへの道は、マイル旅における最大の難関の一つです。
ANA/JALの直行便は、特典航空券の枠が枯渇している上に、往復10万円を超える燃油サーチャージが重くのしかかります。
シネマイル流の正解: 1.
エールフランス(Flying
Blue):JALマイル提携で予約可能ですが、枠は少なめ。 2.
フィンエアー(AY):JALマイル(ワンワールド特典)で「ヘルシンキ経由」を選ぶ。
*
メリット:サーチャージが比較的安い(往復4〜5万円程度)。
*
サウナボーナス:ヘルシンキでの乗り継ぎ時間に、本場のサウナで「整う」ことができます。五郎さんなら絶対に立ち寄るはずです。

モンマルトルの街角で、五郎さん気分で店を探す。それだけで極上の「前菜」です。
聖地② 長崎・五島列島:みかんやの「五島ちゃんぽん」
パリから戻った五郎さんが向かったのは、日本の西の果て、長崎県五島列島。
奈留(なる)島にある小さな食堂「みかんや」です。
ここで出会ったのは、長崎ちゃんぽんとは一味違う、あご出汁(トビウオ)が効いた「五島ちゃんぽん」。
スープ探しの旅における、日本代表と言えるでしょう。
マイルでの攻略法:離島への翼
五島(福江空港)へのアクセスは、長崎または福岡からの乗り継ぎが基本です。
- ANAマイル(ソラシドエア):
- 長崎〜五島福江線は、ANAとコードシェアするORC(オリエンタルエアブリッジ)が運航。
- ANAマイルで特典航空券として発券可能です。プロペラ機の低い高度から眺める五島の海は絶景です。
- フェリーという「孤独」な選択:
- 長崎港からジェットフォイル「ぺがさす」で約1時間半。
- マイル旅であっても、あえて「海路」を選ぶのが五郎流。甲板で風に吹かれながら、次の食事に想いを馳せる時間はプライスレスです。

聖地③ 韓国・巨済(釜山):ジニの食堂の「ファンテヘジャンク」

旅の終着点は、韓国の南端。釜山から少し足を伸ばした巨済(コジェ)島です。
五郎さんが辿り着いた「ジニの食堂(Jini’s
Kitchen)」には、干しスケトウダラを煮込んだ白濁スープ「ファンテヘジャンク」がありました。
二日酔いの酔い覚ましとしても愛される、滋味深い「解毒のスープ」です。
マイルでの攻略法:国境を超える船
福岡から釜山へは、飛行機だけでも行けますが、ここは「BEETLE(高速船)」を推したい。
- JALマイル(提携社特典):大韓航空(KAL)利用で福岡〜釜山。
- BAアビオス(Avios):JAL便の福岡〜釜山線などを、片道たったの6,000〜9,000
Avios等の低レートで発券可能(距離制の強み)。 - クイーンビートル(JR九州高速船):
- 福岡から釜山まで約3時間40分。
- 飛行機のシートベルトサインに縛られず、自由に歩き回れる船旅は、まさに「独身貴族」の特権です。

釜山の夜市。スープの湯気が、旅の疲れを癒やしてくれます。
結論:マイルがあれば、腹が減っても海を越えられる
パリ、五島、釜山。
この壮大な三角移動(トライアングル・ホッピング)も、マイルという武器があれば現実のものとなります。
- 欧州往復:JAL/Oneworld特典(約60,000マイル〜 +
サーチャージ) - 国内移動:ANA/JAL特典(約12,000マイル)
- 日韓移動:Avios(約12,000 Avios)
総額 約10万マイル
あれば、五郎さんと同じ景色、同じスープを味わうことができるのです。
映画館で空腹に耐えられなくなったら、思い出してください。
あなたのスマホに入っているそのマイルアプリが、「究極のスープ」へのパスポートであることを。


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