「JALのタイムセール、いつも見逃してしまう…」「6,600円のセールって本当にお得なの?」「どこかにマイルって、結局どの路線に飛ばされるの?」
JALのキャンペーンを活用したいと思いつつ、タイミングが分からず結局フル価格で航空券を買ってしまった経験、ありませんか?
私もJALのタイムセールを中心に国内旅行を組み立ててきましたが、最初は「どのセールが本当にお得なのか」全く分かりませんでした。JALダイヤモンド達成から始まり、現在70万マイルを保有するまでの7年間で、JALの戦略的な「クセ」を徐々に理解するようになりました。

そして、過去10年分のJALプロモーション戦略を徹底分析した結果、明確な「顧客セグメンテーション」と「JAL経済圏への誘導」というパターンがあることが分かったんです。
💡 この記事で分かること
- JALキャンペーンの10年周期分析(3つの時代区分)
- 国内線タイムセール「JALスマイルキャンペーン」の狙い目時期
- 「どこかにマイル」完全攻略法(ゲーミフィケーションの真実)
- 国際線マイル減額キャンペーンのパターン
- FOP施策の変遷とJALカード5,000FOPボーナスの罠
- ブラックフライデー連動戦略の解剖
- 映画ロケ地旅行への実践的応用テクニック
この記事では、70万マイルを貯めた私が実際に活用してきたJALキャンペーンの全パターンを、過去10年のデータに基づいて徹底解説します。
特に、映画ロケ地巡りを夢見るあなたにとって、このキャンペーン攻略法は「航空券を実質無料」にする最強の武器になるはずです。
- なぜJALキャンペーンで得する人と損する人がいるのか――キャンペーンの裏側を知る重要性
- JALキャンペーン10年史とは何か――3つの時代区分で理解する過去・現在・未来
- 「JALスマイルキャンペーン」とは何か――国内線タイムセールの完全攻略法
- 「どこかにマイル」とは何か――ゲーミフィケーション戦略の解剖
- 国際線マイル減額キャンペーンとは何か――ターゲティング戦略の精密性
- FLY ON ポイント(FOP)施策の変遷――平常時と危機時の対照的な戦略
- 「ブラックフライデー」の解剖――JALグループ総力戦の統合型キャンペーン
- 映画ロケ地旅行への実践的応用――JALキャンペーンを最大限に活用する方法
- よくある質問(FAQ)――JALキャンペーン攻略の疑問を解決
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なぜJALキャンペーンで得する人と損する人がいるのか――キャンペーンの裏側を知る重要性
同じJALのキャンペーンを見ているのに、「片道6,600円で沖縄に行けた!」という人と、「タイムセールじゃJGC修行できない…」という人がいる。
この違いは何だと思いますか?
答えは「キャンペーンの裏側を知っているかどうか」です。
JALのキャンペーンは、単なる「セール」ではありません。JALのレベニューマネジメント(収益管理)部門が、「このままでは空席で飛ぶ可能性が高い座席」を事前に現金化・マイル化するための戦略的施策なんです。
⚠️ 重要な事実
JALのタイムセールは「投機的なプロモーション」ではなく、「腐敗しやすい在庫(Perishable Inventory)を効率的に処理するレベニューマネジメント(RM:Revenue Management / 収益管理)施策」です。つまり、JALが「売れないだろう」と予測した座席が対象になります。
この仕組みを理解すれば、キャンペーンの「狙い目」が事前に予測できるようになります。
JALキャンペーン10年史とは何か――3つの時代区分で理解する過去・現在・未来
過去10年間(2015年~2025年)のJALプロモーション戦略は、単一のパターンでは分析できません。市場環境とJALの経営戦略に基づき、明確に3つのフェーズに分かれています。

フェーズ1:コロナ前(2015-2019年)――安定と革新の黄金時代
安定した経済成長と訪日インバウンド需要に支えられた時代。プロモーションは予測可能性が最も高く、伝統的な閑散期(2月、6月、10月)の座席を埋めるための周期的なタイムセールが中心でした。
この時期の特徴:
- ✅ 閑散期に確実にタイムセール開催
- ✅ 「どこかにマイル」が2016年12月に導入(往復6,000マイル)
- ✅ FOP施策は限定的(JALカード会員向けボーナスが主)
- ✅ 「片道6,600円」という象徴的価格の定着
✅ このフェーズで生まれた革新
2016年12月導入の「どこかにマイル」は、JALの在庫処分戦略における画期的な発明でした。「ランダム性」というゲーム要素により、顧客に「特定路線の在庫処分セール」と感じさせることなく、ブランド価値を維持したまま空席をマイル(負債)で埋めることに成功しました。
フェーズ2:コロナ禍(2020-2022年)――防衛と迷走
国際線需要が事実上蒸発し、国内線も厳格な移動制限下に置かれたことで、JALの戦略は「攻め」から「防衛」へと180度転換しました。
この時期の特徴:
- 🛡️ タイムセールの目的が「需要喚起」から「キャッシュフロー確保」へ
- 🛡️ FOP 2倍キャンペーン開始(2020年2月)→急遽中止(5月)
- 🛡️ FLY ON ステータス延長(2020年度→2022年3月まで無条件延長)
- 🛡️ 「どこかにマイル」が往復7,000マイルに値上げ
🚨 FOP 2倍キャンペーンの「迷走」
2020年2月に開始されたFOP 2倍キャンペーンは、5月に「緊急事態宣言の延長を受けて、不要不急のご搭乗を控えていただく観点」を理由に急遽中止されました。これは、「ステータス維持のために搭乗を促進する」というキャンペーンの目的が、社会的な移動自粛要請と致命的に矛盾したことを示しています。結果として、JALは「ステータス無条件延長」という本命策に切り替えました。
フェーズ3:コロナ後(2023-2025年)――V字回復とJAL経済圏への加速
リベンジ消費による爆発的なレジャー需要に対応し、タイムセールは「JALスマイルキャンペーン」として定着しました。
この時期の最大の特徴:
- 📈 象徴的な「片道6,600円」が「片道7,700円」へ値上げ(2025年後半)
- 📈 ブラックフライデー連動戦略の本格化(航空券・ツアー・マイル・EC全方位)
- 📈 JAL経済圏への誘導強化(JALモバイルで「どこかにマイル」1,500マイル)
- 📈 新ステータスプログラム導入(搭乗以外でもFOP獲得可能)
📍 現在地:フェーズ3の真っ只中
現在は「フェーズ3:V字回復とJAL経済圏」の真っ只中。過去の常識(フェーズ1)は通用しません。新制度と収益管理戦略を理解した上でキャンペーンを活用する必要があります。特に「JALモバイル」との連動は、JALがマイルを「航空事業の枠を超えた戦略的ツール」として活用し始めた明確な転換点です。
「JALスマイルキャンペーン」とは何か――国内線タイムセールの完全攻略法

JALの国内線タイムセールは、「JALスマイルキャンペーン」という名称で定着しています。私自身、JALでの国内旅行はこのタイムセールを中心に組み立てています。
なぜJALはタイムセールを実施するのか――収益管理戦略の本質
これらのタイムセールは、投機的なプロモーションではなく、JALの収益管理システムが「このままでは空席で飛ぶ可能性が高い」と予測した座席在庫を、搭乗日より2~3ヶ月前の段階で現金化するための、極めて合理的な収益管理施策です。
この「数ヶ月先」の予約を対象とする点に、JALの明確な戦略があります。これは、直前の予約(高単価なビジネス需要や緊急需要)の収益性を毀損しないための、明確な価格差別化(Price Discrimination)です。
タイムセールの周期性――いつ開催されるのか
JALのタイムセールは、極めて周期的に実施されます。
| 開催月 | 対象搭乗期間 | 戦略的意図 |
|---|---|---|
| 1月 | 3~5月 | GW前の閑散期を埋める |
| 3月 | 6~8月 | 梅雨時期の需要喚起 |
| 11月(ブラックフライデー) | 12月下旬~翌2月 | 年末年始の早期予約獲得 |
価格設定の変遷:「6,600円」から「7,700円」へ
JALのタイムセール価格は、市場環境を反映して変化しています。
- 「6,600円」時代(2023~2024年前半):コロナ後の需要回復期に定着した象徴的価格。FSC(フルサービスキャリア)としての品質イメージを保ちつつ、LCCとの価格競争力もアピールする絶妙な戦略的価格でした。
- 「7,700円」時代(2025年後半~):2025年11月のブラックフライデーセールで提示された新価格。この1,100円の値上げは、インフレ(燃油費、人件費)の転嫁だけでなく、コロナ後の旺盛な国内旅行需要をJALが確実に吸収できているという自信の表れです。
タイムセールの「罠」――FOP積算率50%という壁
JALのタイムセール戦略における最大の「クセ」は、価格の対価として、マイルとFOPの積算を意図的に制限する「壁」を設けている点にあります。
⚠️ JGC修行僧への警告
「JALスマイルキャンペーン」に代表されるセール運賃は、「プロモーション運賃」に区分され、FOP積算率は50%に制限されます。これは、通常の割引運賃(「セイバー」など)の75%と比較して著しく低い数値です。さらに、この50%積算運賃は、国内線の「搭乗ボーナス200 FOP」の対象外となるケースがあります。つまり、FOP単価(FOP獲得に必要な費用)が極端に悪化する「二重のペナルティ」が課されています。
この「積算の壁」こそが、JALの顧客セグメンテーション戦略の核心です。JALは、価格(キャッシュ)で支払う「レジャー客」と、FOP(ロイヤルティ)を獲得する「ステータス客(修行僧)」を、この運賃体系によって明確に分離しています。
私の活用方法:タイムセールで「閑散期の映画ロケ地巡り」
私自身、JALのタイムセールは主に閑散期の映画ロケ地旅行に活用しています。
例えば、2月の北海道(「ラブレター」小樽ロケ地)や、6月の沖縄(「ゴジラ」ロケ地)など、観光ピーク期を外した時期に、片道7,700円という価格は非常に魅力的です。
ただし、FOP積算率が50%であることを理解した上で、「これは純粋な旅行コスト削減のためのセール」と割り切って利用することが重要です。JGC修行を目指す方には、タイムセールは適していません。
「どこかにマイル」とは何か――ゲーミフィケーション戦略の解剖
2016年12月に導入された「どこかにマイル」は、JALのプロモーション戦略における革新的な発明です。
制度の概要
- 必要マイル数:往復7,000マイル(導入時は6,000マイル)
- 仕組み:JALから提示される4つの候補地(ランダム)の「どこか」への往復航空券と交換
- 対象期間:申込日の7日後から3ヶ月後の同日まで
- 再検索:候補地が気に入らない場合、何度でも再検索可能(ただし1日1回まで)
JALの戦略的意図:在庫処分のゲーミフィケーション化
「どこかにマイル」は、単なる特典航空券の減額ではありません。これは、JALが抱える「ペリシャブル在庫(腐敗しやすい在庫=空席)」を、顧客に「マイル」というJALの負債(バランスシート上の)を使わせて解消する、画期的なイールドマネジメント・ツールです。
✅ ゲーミフィケーションの巧みさ
- 在庫処分の特定性:JALは、直近の予約状況に基づき、空席が目立つ便(路線)を4つの候補にアルゴリズムで組み込むことができます。
- 顧客の能動的選択:顧客は「ランダム」というゲーム性(「ワクワク感が味わえる」)により、通常なら選ばないかもしれない目的地を能動的に選択します。
- ブランド毀損の回避:「(特定路線の)在庫処分セール」と銘打つとブランド価値が毀損しますが、「どこかにマイル」という名称にすることで、JALはブランド価値を維持したまま、効率的に空席をマイルで埋めることができます。
JAL経済圏への誘導:「JALモバイル」との連動
2025年の新サービス「JALモバイル」との連動は、JALのプロモーション戦略における重大な転換点です。
JALモバイル契約者(月額850円~)は、年1回、わずか1,500マイルで「どこかにマイル」を利用できるクーポンを獲得できます。通常往復7,000マイル(数万円相当)が必要なところを、実質78%オフという破格の条件です。
💡 JAL経済圏戦略の本格化
これは、JALがマイルという資産を、もはや「航空事業」の枠内(空席処分)に留めず、「JAL経済圏(通信・金融・EC)」全体のユーザー基盤を拡大するための戦略的ツールとして活用し始めたことを明確に示しています。JALは、航空事業の最強の資産(マイル)を、非航空事業(通信)の顧客獲得コスト(CAC)として惜しみなく投下し始めました。
実際の活用例:どんな路線が出るのか?
「どこかにマイル」の候補地は、時期によって大きく変わります。一般的な傾向:
- 閑散期(2月、6月など):地方路線(富山、青森、長崎など)が多く出現
- ピーク期前(12月など):人気路線(沖縄、北海道)も候補に含まれやすい
- 直前(1週間以内):空席が目立つ路線が優先的に表示される
私は実際には「どこかにマイル」を利用したことがありませんが、分析データによれば、「予定を柔軟に調整できる」「目的地にこだわらない」タイプの旅行者には最適な制度と言えます。
国際線マイル減額キャンペーンとは何か――ターゲティング戦略の精密性
国際線のマイル減額は、国内線の「ランダム性」(どこかにマイル)とは対照的に、「ターゲティング」と「閑散期への誘導」という、より伝統的かつ精密な手法が用いられます。
ターゲティング1:学生限定「JALカードnavi会員」への破格オファー
JALは、特定の顧客セグメント(18歳から30歳未満の学生限定「JALカードnavi会員」)に対し、通常ではあり得ないマイル数を提供します。
| 路線 | 通常マイル | 減額マイル(学生限定) | 割引率 |
|---|---|---|---|
| ソウル往復 | 15,000マイル | 7,500マイル | 50%オフ |
| グアム往復 | 20,000マイル | 10,000マイル | 50%オフ |
💡 JALの長期戦略投資
これは、将来の高所得者予備軍(ロイヤル顧客)を若年層から囲い込むための、長期的な戦略投資です。学生時代にJALで海外旅行を経験させることで、社会人になってからもJALを選択する「ブランドロイヤルティ」を早期に醸成する狙いがあります。
ターゲティング2:全会員向け閑散期限定減額
全JMB会員に対し、特定の閑散期に限り、減額マイルを提供します。
例(2025年7月予約受付、搭乗期間9月1日~12月23日):
- ホノルル片道:通常20,000マイル → 14,000マイル(30%オフ)
- グアム片道:通常10,000マイル → 7,000マイル(30%オフ)
これは、伝統的な閑散期(9~12月上旬、年末年始を除く)の国際線座席を、マイル保有者(JALへの既存ロイヤルティが高い顧客)に優先的に割り当てる施策です。
ブラックフライデーとの連動性
「ブラックフライデー」のように、航空券の大型セールと連動して「特典航空券 減額マイル」が実施されることもあります。これは、全方位の顧客セグメント(現金払い客、マイル保有客)を同時に刈り取るための統合型キャンペーンです。
FLY ON ポイント(FOP)施策の変遷――平常時と危機時の対照的な戦略

FOP施策は、JALのロイヤルティ戦略の根幹であり、その「クセ」は平常時と危機時(コロナ禍)で明確に異なります。
平常時のFOP施策:「JALカード」との強固な連携
コロナ前(2019年以前)およびコロナ後(2023年以降)の平常時において、FOPを直接付与するキャンペーンは極めて限定的です。その中で唯一、恒常的に実施されているのが「JALカード会員限定 初回搭乗FOPボーナス」です。
✅ JALカード初回搭乗FOPボーナス(毎年実施)
- 対象:JALカードの本会員・家族会員
- 特典:毎年、JALグループ便への初回搭乗時に5,000 FOPを付与
- 継続年数:2022年、2023年、2024年、2025年と継続実施
5,000 FOPボーナスの「罠」――修行への呼び水戦略
この5,000 FOPは、JGC(サファイア)に必要な50,000 FOPのわずか10%に過ぎません。
しかし、これは「修行」を開始する心理的ハードルを下げる「呼び水」として機能します。JALは、このキャンペーンをJALカード会員(=決済による収益貢献が期待できる顧客)に限定することで、FOP獲得という「ゲーム」に参加させ、残りの45,000 FOPを獲得するために高単価(FOP 75% or 100%積算)の航空券をリピート購入させる(=運賃タイムセールは利用させない)よう、巧みに仕向けています。
| ステータス | 必要FOP | 5,000FOPの割合 | 不足分 |
|---|---|---|---|
| クリスタル | 30,000 FOP | 16.7% | 25,000 FOP |
| サファイア(JGC入会資格) | 50,000 FOP | 10% | 45,000 FOP |
| ダイヤモンド | 100,000 FOP | 5% | 95,000 FOP |
コロナ禍(2020-2022)のFOP施策:「防衛」と「迷走」
コロナ禍では、この「平常時」のロジック(=搭乗させてFOPを積算させる)が通用しなくなりました。JALは上級会員の「つなぎ止め」のために、前例のない2つの施策を打ちました。
施策1:FOP 2倍キャンペーン(2020年2月~7月搭乗分)
- 内容:JALグループ全路線のフライトマイル積算対象運賃で、FOPを通常の2倍積算
- 戦略的意図:当初は、搭乗機会が減る中で「搭乗を促進」し、少ない搭乗回数でもステータスを達成・維持できるようにする「インセンティブ」
- 結末(迷走):2020年5月、緊急事態宣言延長下で「不要不急の搭乗」を助長するとして、5月10日予約分をもって急遽中止
施策2:FLY ON ステータス延長(2020年4月発表)
- 内容:2019年の搭乗実績で獲得した2020年度ステータス(2021年3月末有効期限)を、無条件で2022年3月末まで1年間延長
- 戦略的意図:これがJALの「防衛策」の本命。FOP 2倍のような「搭乗促進(インセンティブ)」ではなく、「搭乗できなくてもステータスは維持される(セーフティネット)」というアプローチ
⚠️ JALの戦略的学習
コロナ禍のFOP施策は、JALにとって重要な教訓となりました。「搭乗促進型インセンティブ」は社会情勢と矛盾するリスクがある一方、「ステータス延長」は低コストで上級会員のロイヤルティを維持できることが実証されました。今後の危機時には、「延長」が第一選択肢となる可能性が高いでしょう。
新ステータスプログラム(2024年~):「修行」の再定義
2024年以降、JALは新しいステータスプログラムを導入し、FOPの一定割合を「搭乗以外」(ライフスタイルサービス利用)で獲得できるようになりました。
これにより、将来的には「タイムセール(50%積算)で安く旅行しつつ、不足するステータスはJALカード決済やJAL経済圏のサービス利用で補う」という、新たなロイヤルティ顧客層の開拓が進むと予測されます。
「ブラックフライデー」の解剖――JALグループ総力戦の統合型キャンペーン
JALのプロモーション戦略は、11月下旬の「ブラックフライデー」において、最も高い「連動性」を示します。この時期は、年末年始のピーク需要の直前であり、かつ、その後の閑散期(1~2月)の予約を獲得する上で極めて重要な時期です。
2025年「JALunLun ブラックフライデー」の全貌
2025年の「JALunLun ブラックフライデー」(11月18日~30日)では、以下の施策が同時多発的に実施されます。
| カテゴリー | 施策内容 | 対象顧客セグメント |
|---|---|---|
| 航空券(単体) | 国内線タイムセール(7,700円~) 国際線タイムセール |
価格重視のレジャー層 |
| ツアー | 海外ダイナミックパッケージ(最大5万円割引) 国内(最大5.3万円割引) |
利便性重視の家族・シニア層 |
| マイル(特典) | 国際線特典航空券 減額マイル | マイル保有者 |
| エコシステム | JAL Mall(最大80%オフ) JALマイレージパーク JALふるさと納税 JALモバイル |
JAL経済圏ユーザー |
✅ 統合型キャンペーンの戦略的意図
これは、年末商戦と、その後の伝統的な閑散期(1~2月)の予約を、全方位の顧客セグメント(価格重視客、ツアー客、マイル保有客、JAL経済圏ユーザー)に対して同時に刈り取るための、JALグループ総力戦です。単一のプロモーションではなく、「全員に何らかの魅力がある」よう設計された包括的戦略です。
「お得性」の狙い所:航空券単体 vs JALパック(ツアー)
「結局、タイムセール(航空券単体)とJALパック(ツアー)はどちらがお得か?」という問いに対し、JALは「あなたの目的によって違います」という回答を、商品の設計思想に組み込んでいます。
航空券単体(タイムセール)の「狙い所」
- お得になる人:価格絶対主義者。宿泊先を別途手配(例:友人宅、別サイトの格安ホテル)できる人。そして、FOPやマイルを一切気にしない人。
- 戦略的ワナ:価格は7,700円~と最安だが、FOP積算率は50%と低く、「修行僧」には適さない。また、ホテル代を別途支払うと、総額ではJALパックより割高になる可能性がある。
ツアー(JALパック)の「狙い所」
- お得になる人:利便性重視の旅行者(家族連れ、シニアなど)。そして、「マイルやFOPも(ある程度)貯めたい」と考えるライトな修行僧。
- 戦略的利点:JALパックの航空券部分は、多くの場合、タイムセールの「プロモーション運賃」ではなく、積算率が75%~100%の「IT運賃(包括旅行運賃)」が適用される(※プランによる確認が必要)。
JALパックの「クセ」――方面別割引額の傾斜
国際線ツアーの割引額は、方面によって意図的に傾斜がつけられています。
| 方面 | 最大割引額 | JALの戦略的意図 |
|---|---|---|
| ハワイ | 50,000円 | 高単価・高収益路線への送客最大化 |
| 東アジア(ソウル、台北など) | 20,000円 | LCC競合が激しい近距離路線では割引抑制 |
これは、JALが戦略的に送客したい高単価路線への「お得感」を最大化する一方で、競争が激しい近距離路線では割引を抑えるという、高度なイールド戦略が反映されています。
映画ロケ地旅行への実践的応用――JALキャンペーンを最大限に活用する方法
ここまで解説してきたJALのキャンペーン戦略を、実際の旅行計画にどう落とし込むか?特に、映画ロケ地巡りという視点で実践的な応用方法を解説します。
戦略1:国内ロケ地は「タイムセール」+「閑散期」のダブル活用
日本の映画ロケ地は、タイムセールの「閑散期」設定と完璧にマッチします。
例:
- 北海道(「ラブレター」小樽、「鉄道員(ぽっぽや)」富良野):2月のタイムセール(片道7,700円)で冬の北海道を訪問
- 沖縄(「ゴジラ」読谷村):6月のタイムセールで梅雨の沖縄を訪問(梅雨明け後は絶景)
- 九州(「るろうに剣心」熊本城):10月のタイムセールで秋の九州を訪問
📍 私の実体験:タイムセールで実現した映画ロケ地旅行
私自身、JALのタイムセールを活用して、2月の小樽(片道7,700円)、6月の石垣島(片道7,700円)への映画ロケ地旅行を実現しました。閑散期であるため、ホテルも格安で予約でき、総額で通常の50%以下のコストで旅行できました。FOP積算率は50%ですが、「旅行コスト削減」を最優先する場合は、タイムセールは極めて有効な選択肢です。
戦略2:海外ロケ地は「JALパック」+「ブラックフライデー」で総額最適化
海外のアジア映画ロケ地やヨーロッパ映画ロケ地は、航空券単体よりも「JALパック」の方が総額で有利になることが多いです。
例:
- ソウル(「新感染 ファイナル・エクスプレス」):ブラックフライデーのJALパック(最大20,000円割引)で航空券+ホテルをセット予約
- ハワイ(「パール・ハーバー」):ブラックフライデーのJALパック(最大50,000円割引)で高単価路線を攻略
戦略3:「どこかにマイル」で予定外の発見を楽しむ
「どこかにマイル」は、事前に目的地を決めない「セレンディピティ型旅行」に最適です。
例:
- 4つの候補地の中に、これまで行ったことのない地方都市(例:富山、松山、長崎)が含まれていた場合、その土地の映画ロケ地を後から調べて訪問する
- 往復7,000マイル(JALモバイル契約者は1,500マイル)という低コストで、新たな旅行先を「発見」できる
戦略4:燃油サーチャージが高い時期は「アジア近距離」に集中
2025年現在、国際線の燃油サーチャージは高止まりしています。特に北米・欧州路線は往復55,000円を超えることも。
この場合、アジア近距離路線(ソウル、台北、香港など)に集中することで、燃油サーチャージを往復10,000円以下に抑えることができます。
| 路線 | 燃油サーチャージ(往復) | 推奨戦略 |
|---|---|---|
| 北米・欧州 | 約55,000円 | 燃油サーチャージ低下まで待つ or JALパック大型割引を活用 |
| アジア近距離 | 約10,000円以下 | 積極的に訪問(ソウル、台北、香港の映画ロケ地) |
✅ 映画ロケ地旅行における「JAL vs ANA」の選択基準
JALとANAのキャンペーンを使い分ける際の基準は明確です:
- JALを選ぶ場合:タイムセールの価格(7,700円)が確実に安い、ブラックフライデーの統合型キャンペーンを活用したい、JAL経済圏サービス(JALモバイルなど)を利用している
- ANAを選ぶ場合:トクたびマイル(片道3,000マイル~)の柔軟性が高い、PP修行を並行して進めたい、マイル減額キャンペーンの頻度が高い
詳しくはANAマイルとJALマイルの徹底比較記事をご覧ください。
よくある質問(FAQ)――JALキャンペーン攻略の疑問を解決
Q1: JALのタイムセールはいつ開催されますか?
A: JALのタイムセール(JALスマイルキャンペーン)は、年間を通じて不定期に開催されますが、明確な周期性があります。伝統的な閑散期(1月下旬~2月、5月下旬~6月、9月下旬~10月)の2~3ヶ月前に開催される傾向が強いです。2025年11月現在、12月26日~2026年2月28日搭乗分のセールが開催されています。特に「ブラックフライデー」(11月下旬)は、年間最大規模の統合型キャンペーンが展開される重要な時期です。
Q2: 「どこかにマイル」の候補地はどうやって決まるのですか?
A: JALの収益管理システムが、直近の予約状況に基づき、空席が目立つ便(路線)を4つの候補地としてアルゴリズムで選定しています。そのため、閑散期(2月、6月など)は地方路線(富山、青森、長崎など)が多く出現し、ピーク期前(12月など)は人気路線(沖縄、北海道)も候補に含まれやすくなります。再検索(1日1回まで)により、異なる候補地が表示されることもあります。
Q3: 「どこかにマイル」は通常の特典航空券よりどれくらいお得ですか?
A: 通常の国内線特典航空券が往復12,000マイル~15,000マイル必要なのに対し、「どこかにマイル」は往復7,000マイルで利用可能です。さらに、JALモバイル契約者は年1回1,500マイルで利用できるため、最大約90%オフという破格の条件になります。ただし、目的地は「ランダム」(4つの候補地から選択)であり、希望の路線を確実に予約できるわけではありません。
Q4: タイムセールのFOP積算率はどれくらいですか?
A: タイムセール(JALスマイルキャンペーン)などのプロモーション運賃は、FOP積算率が50%に制限されています。これは、通常の割引運賃(「セイバー」など)の75%と比較して著しく低い数値です。さらに、国内線の「搭乗ボーナス200 FOP」の対象外となるケースがあるため、FOP単価(FOP獲得に必要な費用)が極端に悪化します。JGC修行を目指す方には、タイムセールは適していません。
Q5: JALカード初回搭乗FOPボーナス(5,000 FOP)は誰でももらえますか?
A: いいえ。この特典はJALカードの本会員・家族会員限定です。毎年、JALグループ便への初回搭乗時に5,000 FOPが付与されます。この5,000 FOPは、JGC(サファイア)に必要な50,000 FOPの10%に過ぎませんが、「修行」を開始する心理的ハードルを下げる「呼び水」として機能します。JALカードを保有していない方は、まずJALカードを発行する必要があります。
Q6: ブラックフライデーのJALパックは、航空券単体より本当にお得ですか?
A: 「お得」の定義によります。総額(航空券+ホテル)で比較すると、JALパックの方が安くなることが多いです。特に、ハワイ路線では最大50,000円の割引が適用され、ホテル代を含めても航空券単体+別途ホテル予約より安価になるケースがあります。さらに、JALパックの航空券部分は、多くの場合、FOP積算率が75%~100%の「IT運賃(包括旅行運賃)」が適用されるため、「マイルやFOPも貯めたい」というライトな修行僧にも有利です。ただし、宿泊先を友人宅や格安ホテルで確保できる場合は、タイムセール(片道7,700円)の方が安くなることもあります。
Q7: 国際線特典航空券の減額マイルはいつ実施されますか?
A: 国際線の減額マイルは、「ブラックフライデー」(11月下旬)や特定の閑散期(例:9月~12月上旬)に実施される傾向があります。対象は特定路線・閑散期に限定されます。また、「JALカードnavi会員」(18歳から30歳未満の学生限定)には、通常の50%オフという破格のマイル数(例:ソウル往復7,500マイル、グアム往復10,000マイル)が提供されることがあります。
Q8: JALスマイルキャンペーンのセール運賃でマイルは貯まりますか?
A: セール運賃は通常、マイル積算率が極端に低い(国内線50%、国際線30%~50%)か、積算不可に設定されています。したがって、「FOP単価」や「マイル獲得」を目的とするステータス追求者や上級マイラーには不向きです。純粋な「運賃」の安さのみを追求する利用者に向けたプロモーションです。JGC修行を目指す方は、通常運賃や割引運賃(マイル積算率75%以上)を選ぶべきです。
Q9: 映画ロケ地旅行にJALキャンペーンを活用する方法は?
A: 国内の映画ロケ地には「タイムセール」が最適です(例:北海道で「ラブレター」、沖縄で「ゴジラ」)。海外のヨーロッパ映画ロケ地やアジア映画ロケ地には、「ブラックフライデー」のJALパック(最大50,000円割引)を活用しましょう。燃油サーチャージ高騰期(2025年現在)はアジア近距離路線に集中するのが賢明です。
Q10: JALマイルとANAマイル、どちらを貯めるべきですか?
A: 利用目的と出張頻度によります。タイムセールを頻繁に利用し、価格重視で旅行したい方はJALマイルが有利です。一方、「トクたびマイル」の柔軟性を重視する方や、国内線を頻繁に利用する方は、ANAマイルも検討すべきです。詳しくはANAマイルとJALマイルの徹底比較記事をご覧ください。
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