
【結論】30秒でわかる、この記事の勝ち筋
直行便の空席待ちに、人生を費やすのはやめましょう。
2026年、北米行き特典航空券の「正解」は、南にあります。
- アラスカマイルの異常値:台北発北米行きビジネスクラスが
片道75,000マイル。サーチャージは
ほぼ無料(約3,000円)。 - 機材が「銀河級」:スターラックス(星宇航空)A350は「台湾のエミレーツ」。個室ドア、4K画面、NASA推奨のゼロ・グラビティ座席。
- マニアックな提携関係:アラスカ航空とスターラックスは資本関係こそありませんが、「アライアンス(ワンワールド)に加盟せず、独自に手を組んだ」
という野心的なパートナー同士。だからこそ、他社が気づかない「スイートスポット(抜け穴)」が残っています。 - 最終防衛ライン:マイルが尽きても、我々には
ZIPAIR(LCCフルフラット)
という現金14万円のベッドがある。
「誰もいないルートを、優雅に飛ぶ」。これぞマイルの醍醐味です。
1. なぜ「台湾経由」という変態ルートを選ぶのか
「東京から台北に飛んで、そこからアメリカへ? 時間の無駄では?」
一般の方はそう思うでしょう。しかし、この記事を読んでいるあなたは違います。
現在の北米路線の惨状を見てください。ANAの往復サーチャージは10万円超え、特典枠はダイヤモンド会員ですら空席待ち。JALも似たようなものです。
そこで、あえて「逆方向」に飛ぶ」のです。
「空いている」という最強の価値
皆が血眼になって東京発の直行便を探している間、台北発の太平洋横断ルートは驚くほど静かです。
このルートは、まだ日本人マイラーに食い荒らされていない「最後の聖域」。予約画面で「空席あり」の文字を見たときの高揚感は、何物にも代えがたいものがあります。
2. アラスカマイル × スターラックスの方程式

本題です。なぜアラスカマイルなのか。
それは、アラスカ航空がスターラックスと提携しており、「距離制チャートにも関わらず、特定のスイートスポットが放置されているから」です。
魔法の数字「75,000」
現在のアラスカマイルのチャートでは、アジア〜北米間のビジネスクラスがおおよそこの水準で発券可能です。
| 項目 | ANA (The Room) | Starlux (A350-900) |
|---|---|---|
| 必要マイル | 50,000〜(変動制) | 75,000 (Saver) |
| サーチャージ | ¥50,000〜(片道) | 無料 (約$19) |
| 座席確保難度 | SSS級 (絶望) | B級 (狙えば取れる) |
| 機材の豪華さ | ★★★★★ | ★★★★★★ (Galactic) |
75,000マイル。
ANAよりは多いですが、サーチャージ無料という強烈なアドバンテージがあります。往復10万円近い現金を節約できるなら、マイルの差など誤差です。
検索のコツ:「カレンダー検索」
アラスカ航空の公式サイトは非常に優秀です。
1.「Use Miles」にチェック。
2. 出発地:TPE(台北)、目的地:LAX/SFO/SEA。
3. 「Calendar View」で月ごとの空席を見る。
不思議なことに、日本発(TYO-TPE-LAX)で通し検索すると出てこない枠が、「TPE-LAX」単体だとゴロゴロ出てくることがあります。これが「狙い目」です。
3. スターラックス航空(JX):空飛ぶSF映画
ただの移動手段ではありません。スターラックス航空(星宇航空)に搭乗すること自体が、この旅の目的になります。
デザインコード:「Galactic(銀河)」
BMW
Designworksが監修した機内は、ローズゴールドとダークグレーを基調とした「近未来の宇宙船」そのもの。
- 完全個室スライディングドア:プライバシーは完璧。
- ゼロ・グラビティ・モード:NASAの理論に基づいた、最もリラックスできる座席角度。
- 4Kスクリーン:機内で映画を見る体験が、映画館レベルに昇華します。
そして特筆すべきは機内食。
台北発の便では、有名焼肉店「胡同焼肉」監修の焼肉丼や、本格的なタピオカミルクティーが空の上で提供されます。これを食べるためだけに台北を経由する価値があります。

台北での乗り継ぎ時間は、夜市で小籠包を食べるボーナスタイムです。
4. 最終防衛ライン:ZIPAIRという「現金の盾」
「でも、アラスカマイルなんて持ってないよ」
「スターラックスも満席だったらどうするの?」
ご安心ください。我々には ZIPAIR(ジップエア)
があります。
JAL系列のLCCですが、ここの「Full-Flat(フルフラット)」座席は、マイル難民にとっての最強のシェルターです。

コスト比較:プライドを捨てて実益を取る
- ANA/JALプレエコ(現金):往復 30〜40万円〜
- ZIPAIR フルフラット(現金):往復
約28万円(片道14万円〜)
LCCだからと侮るなかれ。「横になって寝られる」という機能価値において、ZIPAIRはレガシーキャリアのビジネスと互角です。
機内食やモニターは有料ですが、iPadを持ち込んで、搭乗前にコンビニで美味しいご飯を買えば良いだけのこと。
「サーチャージだけで10万円払う」くらいなら、「総額14万円で確実にベッドを買う」。
これが、2026年を生き抜くリアリストの戦略です。
5. 【応用編】北米だけじゃない。世界へ広がる「スターラックス網」

この「アラスカマイル ×
スターラックス」の方程式は、なにも北米路線だけの裏技ではありません。
実は、アジア域内(Intra-Asia)
でも強烈な威力を発揮します。
「15,000マイル」で乗るアジアのビジネスクラス
アラスカ航空のチャートでは、アジア域内の短距離路線も非常にお得です。
- 東南アジアのリゾートへ:台北からダナン(ベトナム)、セブ(フィリピン)、チェンマイ(タイ)など。
- 日本の地方都市へ:実はスターラックスは、福岡、熊本、仙台、函館、そして2026年就航の宮古島(下地島)など、日本の地方空港に深く食い込んでいます。
例えば、「福岡→台北→ダナン」
といったルートを、アラスカマイルの少額マイルで発券し、全区間でスターラックスのビジネスクラスを堪能する。
これこそ、直行便しか知らない一般マイラーには絶対に見えない、真の「マニアックな地図」です。
6. まとめ:ルートのポートフォリオを組め
2026年のマイル戦略は、一本足打法では生き残れません。
以下の「3段構え」でポートフォリオを組んでください。
- 本命(理想):ANA/JAL直行便。(取れたら奇跡)
- 対抗(ロマン):スターラックス×アラスカマイル。台湾経由で優雅に渡航。
- 穴(現実):ZIPAIR。マイルが尽きた時の現金決済用ベッド。
「直行便がないなら、行かない」ではなく、
「直行便がないなら、台湾で小籠包を食べて、宇宙船(スターラックス)で飛べばいい」。
この発想の転換こそが、シネマイル流のライフハックです。
さあ、次は台北でお会いしましょう。

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